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「未分割の相続財産がある方」のための遺言書の書き方

遺言書作成チェック集(財産編) 遺言書の書き方講座

 こんにちは、「遺言作成・相続サポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。

 今回は、【遺言書の書き方講座 財産編 vol.17】として、『「未分割の相続財産がある方」のための遺言書の書き方』についてお伝えしたいと思います。

 過去に相続が発生しており、その時に相続手続きを行っておらず、例えば、「土地の名義が祖母のままになっている。」の様な場合が該当するかと思います。

遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。

 遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。

「未分割の相続財産がある方」のための遺言書の書き方

今回のチェックポイント

  • 未分割の相続財産に対して相続人が有する権利
  • 相続分を相続させる場合

未分割の相続財産に対して相続人が有する権利

 相続が開始すると、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します(民法899)。

 相続財産は、共同相続人の共有となります(民法898)。

 最高裁判所は、「遺産は、相続人が数人ある場合において、それが当然に分割されるものではないときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属し、この共有の性質は、基本的には民法249条以下に規定する共有と性質を異にするものではない。

 そうずると、共同相続人が取得する遺産の共有持分権は、実体上の権利であって遺産分割の対象となるとおうべきである。」と判示しました(最判平17・10・11判時1914・80)。

 そして、この場合の手続については、遺産分割手続きを経る必要があるとしました。

未分割の相続分を相続させる場合

 被相続人が未分割の相続財産に対して有する相続分は、相続人の財産を構成することになります。

 被相続人(遺言者)は、遺言によって自らの相続分を相続人に承継させることができます。

 なお、相続分とは「共同相続人が積極財産及び消極財産を包括した遺産全体に対して有する割合的な持分」のことをいいます(最判平13・7・10判時1762・110)。

条項例
第○条 遺言者は、遺言者の亡父幸雄の遺産について遺言者が有する相続分を、妻幸子(昭和○年○月○日生)に相続させる。
    (省略)

 今回は、以上となります。

*参考文献 「遺言書作成・聴取事項のチェックポイント」伊庭 潔著

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