こんにちは、「遺言作成・相続手続きサポート」宮城県名取市のまさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。
今回は、【遺言書の書き方講座 財産編 vol.14】として、『「ゴルフ会員権をお持ちの方」のための遺言書の書き方』についてお伝えしたいと思います。
遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
「ゴルフ会員権をお持ちの方」のための遺言書の書き方
今回のチェックポイント
- ゴルフ会員権の種類を確認
- 預託金会員制ゴルフクラブの性質
- 預託金会員制のゴルフ会員権の相続財産での取扱い
ゴルフ会員権の種類を確認
ゴルフ会員権の種類には、①社団法人制クラブ、②株主会員制クラブ、③預託金会員制クラブの3形態があります。
日本における会員制ゴルフクラブのほとんどが③の「預託金会員制クラブ」であるといわれています。
今回は、大多数を占める「預託金会員制クラブ」についてのみ解説します。
「預託金会員制ゴルフクラブ」の性質
「預託金会員制ゴルフクラブ」は、ゴルフ場の施設を利用しようとする者が、ゴルフ場の経営会社に対し一定額の保証金を預託します。
ゴルフ場施設利用者で構成された団体であるゴルフクラブに入会審査を経た上で入会して会員となる制度です。
ゴルフクラブの会則等に従って施設を利用し、一定期間経過後、退会時にゴルフ場経営会社から預託金も返還を受ける形態が「預託金会員制ゴルフクラブの性質になります。
預託金会員制のゴルフ会員権の相続財産での取扱い
預託金会員制のゴルフ会員権の会員たる地位を相続せたい場合は、遺言においては、次の事項でゴルフ会員権を特定させます。
①会社名、②ゴルフクラブ名、③会員番号、④預託金証書記載番号、⑤預託金証書記載金額以上で特定することになります。
遺言によって会員たる地位を相続させた場合でも、会員名義の変更には、「ゴルフ場会社の承認の手続」が必要となります。
なので、会員たる地位の相続を会則によって認めていない場合には、遺言によって会員たる地位を相続させることはできないことになります。
その場合、相続人は「預託金返還請求権」などの個別の債権債務を承継するこになります。
条項例
第○条 遺言者は、遺言者の所有する次のゴルフ場及び付属施設の利用権並びに会員資格保証金としての預託金返還請求権を、妻A(昭和○年○月○日生)に相続させる。 会社名 ○○株式会社 ゴルフクラブ名 ○○ゴルフカントリークラブ 会員番号 ○○ 預託金証書記載番号 ○○ 預託金証書記載番号 ○○万円
今回は、以上となります。
*参考文献 「遺言書作成・聴取事項のチェックポイント」伊庭 潔著