こんにちは、「遺言書作成・相続手続きサポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。
今回は、【遺言書の書き方講座 家族編 vol.7】として、『「子供を亡くした方」のための遺言書の書き方』について伝えしたいと思います。
遺言書を作成する皆様共通のメリットは、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言作成時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
「子供を亡くした方」のための遺言書の書き方
今回のチェックポイント
- 代襲相続になる場合
- 再代襲相続になる場合
- 代襲相続及び再代襲相続の原因
- 亡くなった「子供や孫の配偶者」へ財産を残したい場合
代襲相続になる場合
既に亡くなっている子供がいる場合、その亡くなった子供に子(遺言者から見て孫)がいるときは、代襲相続(だいしゅう そうぞく)が生じます。
代襲相続は、遺言者から見て「孫」が亡くなった「子供」に代わって相続することになります(民法887②)。
再代襲相続になる場合
さらに、「子供」及び「孫」も既に亡くなっている場合は、その亡くなった孫の子供(遺言者からみて「ひ孫」)がいるときには、再代襲相続が生じます。
この場合、再代襲相続は、遺言者から見て「ひ孫」が亡くなった「子供」及び「孫」に代わって相続することになります(民法887③)。
代襲相続及び再代襲相続の原因
代襲相続及び再代襲相続は、相続人に関し、
①相続開始以前に子供が死亡していた場合のほか、
②子供に「相続の欠格事由がある」場合(民法891)及び
③子供が「廃除された」場合(民法892)にも起こります。
同様に生存する「孫」や「ひ孫」に相続の欠格事由がある者、廃除された者は、代襲相続及び再代襲相続が出来ません。
亡くなった「子供や孫の配偶者」へ財産を残したい場合
仮に、「孫」に財産を相続させるよりも、遺言者が生前にとても世話になった「子供の配偶者」に財産を残したいと希望する場合には、遺言書を残す必要があります。
既に亡くなった「子供の配偶者」がいる場合でも、遺言者との関係では、その配偶者には相続権はありません。
民法改正によって、「特別の寄与」について新たに規定が出来て子供の配偶者から「家庭裁判所」に対して「特別寄与料」の請求が認められるようになりました。
とはいえ、そう簡単には「子供の配偶者」から「特別寄与料」の請求を相続人に対して行える状況は少ないと思われます。
「子供の配偶者」に財産を残したいと希望する場合には、遺言を残すことが一番「子供の配偶者」にとって有意義なことであります。
条項例
第○条 遺言者は、遺言者の所有する現金2,000万円を、
亡くなった長男の妻A(平成○年○月○日生、住所:
○○県○○市○○町○○)に遺贈する。
今回は、以上となります。
*参考文献 「遺言書作成・聴取事項のチェックポイント」伊庭 潔著
当事務所は「いい相続」に掲載されています