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2026年施行の行政書士法改正のポイント|依頼者が確認すべきことも解説

話題

この数年で行政への申請手続きはずいぶんオンライン化が進みました。便利になった一方で、どの画面から入って何を入力すればよいのか分からない、というご相談を受ける機会が増えています。必要な書類や申請方法が理解できないまま、時間だけが過ぎてしまったというお話も少なくありません。

2026年1月1日、行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が施行されました。行政書士側のルールの改正ですので、一見すると手続きをするご本人には関係がなさそうに見えます。

ところが内容を読んでいくと、依頼する側にとっても知っておいて損のない変更が含まれています。

そこで今回は、改正の要点と日々ご相談をお受けしている立場から感じていることを、あわせてお伝えしたいと思います。

行政書士の「使命」と職責が明文化されました

改正前の行政書士法は、第1条が「目的」を定める条文でした。今回の改正で、この見出しが「行政書士の使命」に改められています。行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする、という書き方です(行政書士法第1条、2026年1月1日施行)。

あわせて第1条の2として、職責の規定が新設されました。常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない、という内容です。

条文を読んだときの実感を正直に申し上げると、新しい義務が増えたというより、これまで当たり前にやってきたことが言葉になった、という感覚でした。私は事務所のご案内でも、行政書士法・行政書士会規則・行政書士倫理規定を遵守すると書いてきました。その姿勢が条文として整理されたのだと、個人的には受け止めています。

そして、依頼される方にとっての意味も、そこにあると思います。書類を作る人という位置づけから、法令と実務に精通した専門職という位置づけへ、法律上の表現が一歩進みました。相談するときに何を期待してよいのかの目安が、条文の形ではっきりしたとも言えるのではないでしょうか。

デジタル社会への対応が職責に加わりました

実はこれが、今回の改正で私がいちばん注目している点です。

第1条の2第2項として、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上と業務の改善進歩を図るよう努めなければならない、という努力義務が加えられました。他の法律専門職に先んじて、デジタル対応が条文に書き込まれた形です。

私は以前から、行政機関への申請がパソコンでできるようになって便利になる反面、新しい仕組みから取り残される方が出ないようフォローしたいと考えてきましたが、その問題意識がそのまま条文になったように感じて、少し不思議な気持ちで新旧対照表を眺めたのを覚えています。

ただデジタル対応というと、すべてをオンラインで完結させることだと受け取られがちです。私はそこには慎重で、画面の操作を代わりに済ませることよりも、その手続きが本当に必要なのかをご一緒に確かめる時間のほうを大事にしています。

ですから当事務所では、TeamsやZoomを使ったオンライン相談も、ご自宅へ伺う出張相談も、どちらもご用意しています。ハウスメーカーで営業をしていた頃、住宅展示場でお会いするだけでは表面的なやり取りになりがちで、お客さまの本当のご希望が見えないことが少なくありませんでした。

いっぽう、暮らしの場でお話を伺うと、悩みの背景まで含めて理解できます。行政手続きのご相談も、まったく同じだと思っています。当事務所が出張相談を続けているのは、そのためです。

特定行政書士の範囲拡大と無資格代行への規制

特定行政書士とは、所定の法定研修を修了し、行政庁に対する不服申立ての手続を代理できる行政書士のことですが、今回の改正では、この特定行政書士が扱える範囲が広がりました。

改正前は、行政書士が「作成した」官公署提出書類に係る許認可等に関するものに限られていましたが、改正後は「作成することができる」書類に係るものへと拡大されています(行政書士法第1条の4第1項第2号)。自分が作成していない申請であっても、不服申立てを引き受けられる場面が増えたということです。

私は特定行政書士の登録をしていますので、この改正は自分の業務範囲に直接関わります。許可が下りずに困っている、という段階からのご相談も、以前よりお受けしやすくなりました。

もうひとつ、無資格者による申請代行への規制も明確になりました。第19条第1項に「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加わり、手数料でもコンサルタント料でも、名目を問わず対価を受け取って官公署提出書類を作成する行為が制限の対象になることがはっきりしています。

あわせて第23条の3に両罰規定が整備され、違反行為が法人の業務として行われた場合には、行為者本人だけでなく法人にも罰金刑が科されうる形になりました(出典:総務省「行政書士制度」、行政書士法の一部を改正する法律・令和7年法律第65号)。

依頼する側の立場で考えると、ここは案外、実務的な話です。依頼先が業務を続けられなくなれば、手続きは途中で止まってしまいますので、契約の前に、書類を実際に作成するのは誰なのかを確かめておくと安心だと思います。

まず確かめたいのは、自分が対象かどうか

私のところに寄せられるご相談で多いのは、手続きが必要だと知らないまま期限を過ぎてしまった、自分が制度改正の対象になるのか分からない、というものです。専門家に頼むべきかどうかで迷っているうちに、そのまま時間が経ってしまったというお話も伺います。

まず確かめていただきたいのは、ご自身がその手続きの対象なのかどうかです。対象だと分かれば、必要な書類と期限を書き出して整理するだけでも、見通しはずいぶん変わります。期限の直前になってから動くと、選べる方法が減ってしまう場面を実際に数多く見てきました。

在留資格の更新や、相続にともなう各種の手続きのように、期限が決まっているものは特にそうです。急いで動くほど確認が雑になりますので、余裕のあるうちに一度整理しておくことをおすすめしています。

依頼先を選ぶときに確認したいこと

依頼先を選ぶときは、報酬の名目ではなく、書類を誰が作成するのかをご確認ください。行政書士であれば、登録番号や所属する行政書士会をお尋ねいただいて構いません。

そのうえで、私が最初に確認するのは、そのご相談が行政書士の業務範囲に収まるかどうかです。内容によっては、弁護士や司法書士にご依頼いただいたほうが適切な場面もあります。その場合は無理にお引き受けせず、他の専門家をご案内しています。

行政書士の価値は、いい意味でハードルが低く身近であることだと思っています。だからこそ、入口の段階で正直であることを大切にしています。どこにお願いすればよいのか分からない、という状態のまま、まずは声をかけていただければと思います。

制度が変わるときは、情報が多く出回るぶん、かえって判断が難しくなります。宮城県名取市名取が丘のまさる行政書士事務所では、遺言書作成・相続手続き・成年後見・家族信託サポートを中心に、許認可申請のご相談にも対応しています。

行政書士法改正がご自身の手続きに関係するのかどうか気になったら、まずはお気軽にご相談ください(https://masarukanno.com/)。

まとめ

制度は変わってもやるべきことは同じで、自分が対象かを確かめて、順番に整理していくことに尽きると私は思っています。ひとりで抱え込まずに、早い段階で誰かに話してみてください。

・行政書士法改正が自分の手続きに関係するのか知りたい方

・オンライン申請の進め方が分からず、手が止まっている方

・許可が下りず、次にどうすればよいか迷っている方

お問い合わせはこちらから https://masarukanno.com/