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「配偶者に判断能力の衰えがある方」のための遺言書の書き方

遺言書作成チェック集(家族編) (5)遺言書の書き方講座

 こんにちは、「非接触オンライン遺言・相続サポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野 勝(かんの まさる)です。

 今回は、【遺言書の書き方講座 家族編 vol.3】として、『「配偶者に判断能力の衰えがある方」のための遺言書の書き方』をご案内します。

 遺言書を作成する皆様共通のメリットは、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。

 遺言作成時のチェックポイントを解説します。

「配偶者に判断能力の衰えがある方」のための遺言書の書き方

今回のチェックポイント

  • 配偶者の認知症等による判断能力の衰えの判断
  • 配偶者の成年後見制度の利用の有無
  • 成年後見制度を利用している配偶者へ財産を残す場合の注意点
  • 財産管理が難しい配偶者に代わってに財産を残す場合

配偶者の認知症等による判断能力の衰えの判断

 配偶者に認知症等の病状による判断能力の衰えがあるかどうかは、配偶者の日常生活から判断することもできますが、大切なことは自分で判断せずに配偶者の主治医の意見を聞くことが適切です。

 配偶者の主治医に長谷川式認知症スケールによりテストを実施して頂き、配偶者の判断能力を正確に判定してもらってください。

配偶者の成年後見制度の利用の有無

 配偶者が成年後見制度を利用している場合には、後見人、保佐人、補助人又は任意後見人が選任されていますので、まずその者の氏名や連絡先などを確認します。

 成年後見制度を利用している配偶者へ財産を残す場合には、事前に後見人等に財産管理の状況や方針を確認しておくことが重要なチェックポイントになります。

成年後見制度を利用している配偶者へ財産を残す場合の注意点

 配偶者が法定後見を利用している場合には配偶者自身が財産を管理することができないため、配偶者に財産を残すべきか検討する必要があります。

 成年後見制度のうち、配偶者が保佐、補助や任意後見を利用している場合には、配偶者自身が財産を管理すること、又は配偶者の意思に従った財産管理の可能性があります。

 しかし、配偶者が法定後見を利用している場合には、配偶者自身が財産を管理することはできないため、配偶者に財産を残すべきか検討する必要があります。

 もし配偶者に財産を残したとしても、後見人が全財産を管理することになり、裁判所の監督の下に使途に制限が加えられることがあります。

 そのため、子らに財産を承継させた上で、その子らが配偶者のために財産を活用するという考え方もあり得ます。

 ただし、配偶者が法定後見を利用していたとしても、配偶者には遺留分があるため(民法1028・1031)、配偶者の遺留分に配慮した内容の遺言書の作成する必要があります。

 仮に、配偶者の遺留分を侵害する内容の遺言を残した場合には、法定後見人から遺留分侵害額請求をされることがあります。

財産管理が難しい配偶者に代わって子に財産を残す場合

 配偶者自身による財産管理ができない場合には、配偶者に代わって子に財産を承継させた上で、その子が配偶者のために財産を活用することも考えられます。

 その場合には、遺言により子に財産を承継させつつ、その子に対して、配偶者の世話をするという負担を付する方法があります(民法1002条)。

条項例
第○条 遺言者は、下記の財産を長男B(昭和○年○月○日生、住所:○○県
    ○○市○○町○○)に相続させる。この財産を相続させる負担として
    、長男Bは妻A(昭和○年○月○日生)が死亡するまで同人と同居し、
    生活費、医療費を負担し、身辺の介護をすること。
    1 土地の表示 (省略)
    2 建物の表示 (省略)

今回は、以上となります。

*参考文献 「遺言書作成・聴取事項のチェックポイント」伊庭 潔著

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